お母さんへ

お母さんへ

 

改めてここにこうして書くなんて、恥ずかしいね。

いつも私のそばにいてくれてありがとう。

 

見てくれていますか?

私、27歳になりました。

世間一般からみて、大人になりました。

若手じゃなくなりました。

 

今日の日を忘れた事なんてないよ

昨日と、今日。今日と明日。

この日を境に全てが変わったよ。

 

あの頃私は19歳で、自分の事しか考えられない子供で

父親が何を選択したのか、人が死ぬということ、母親がいなくなるということ

全くわかっていなかった。だから、もっと伝えたい事あったのにって後悔の念がたまに押し寄せてくる。

 

病室で亡くなって、家にいるおばあちゃんに電話して、父親も友人に電話をかけて、

まるで私はそこにいるのにいないみたいで。

花束を買っておいでと言われお花屋さんでお母さんをイメージした花束を買って。

いつの間にか、いつの間にか、お別れ室に母親が移動していて

お世話になった先生が絶えず手を合わせにきてくれて。

 

死んだお母さんをみて、

お母さんの入れ物が目の前にあって、魂だけが抜けてる。

そんな風に思った。

 

お母さんを亡くして辛い思いをしたこと

火葬場でお骨になったのをみて、もう触れる事ができないと思い知ったこと

死亡届をだしてバツじるしがついたこと

大学の教務課に忌引きの届けをだしたときの大学職員の心無い言葉

 

亡くしてから気がついた世の中の普通。お母さんがいる普通。

どこにいても「おかあさん」がいることを前提に話が進む。

 

訂正するのも辛くてそのままにしてたりしてな。

 

そして

私も誰かに「普通」で傷つけてきたのかなと感じた

 

家族について触れるときは気をつけようと思った

両親がいる、それは普通ではない。当たり前ではない。

 

 

 

お母さんに宛てた内容にしようと思ったのに

結局じぶんがいかに悲しかったかをかく浅ましい自分

 

 

あいたいなあ。

 

今の少し大人になった私を見て欲しいなあ。